梨状筋ストレッチは両足を「ハ」の字にして座る
骨盤のバランス崩れに大きく関与している梨状筋は、股関節にある重要なインナーマッスル。ダイエットが成功しない原因は梨状筋かもしれません。そこで、梨状筋の柔軟性をアップするストレッチ方法を紹介しましょう。梨状筋ストレッチは両足を「ハ」の字にして座って行います。
目次
梨状筋は骨盤のバランス崩れに関与
いくらダイエットしても効果が出ないという人は骨盤のバランスが原因かもしれません。骨盤のバランスが崩れると関節の動きに左右差が生まれて、筋肉の使われ方も左右で違ってきます。
その結果としておこる体のゆがみが、太る根本原因なのです。このゆがみを正さなければ、いくらダイエットに挑戦しても成功は望めません。まずは骨盤のバランスを整えることがダイエットの第一歩になります。
そして、この骨盤のバランス崩れに大きく関与しているのがお尻の「梨状筋」というインナーマッスルです。インナーマッスルは関節に近いところにあって、おもに関節を固定したり安定させたりします。一方のアウターマッスルは、おもに関節の動きを作り出すのです。
梨状筋の働きに左右差が生まれる
アウターマッスルだけが働いても、インナーマッスルが関節を固定できていないとうまく関節を動かせません。関節が正常に動くためには、インナーマッスルとアウターマッスルの調和のとれた連動が必要です。
梨状筋は股関節を外旋させる、深層外旋六筋と総称されるインナーマッスルの1つ。ちなみに深層外旋六筋は、このほか上双子筋、下双子筋、外閉鎖筋、内閉鎖筋、大腿方形筋このことです。梨状筋は骨盤にある仙骨から、骨盤の横の出っ張りにあたる大腿骨の大転子までをつなぎます。
そして、お尻の中心部の深いところにある梨状筋は、股関節を外側に回る働きをサポートします。左右の梨状筋が同じように働けば、骨盤もバランスが保たれて股関節の動きも左右対称です。しかし、梨状筋の働きに左右差が生まれると、股関節の動きにも骨盤のバランスにも狂いが生じます。
梨状筋ストレッチの方法とは?
そんな骨盤のバランスを整えるのが梨状筋ストレッチです。床に座って両手をお尻の後方に置いて、両足が「ハ」の字になるようにするとストレッチできます。
ただし、梨状筋ストレッチは左右差をなくことが目的です。床に着く足を徐々に外側に開いていき、左右差を感じたポイントでストップ。そのまま30秒間キープするのです。
上体を後ろに倒すほど、梨状筋の伸び方はより大きくなります。手の位置を後ろにずらして、上体をさらに後ろに倒してみましょう。梨状筋の柔軟性をアップしてさらに強化したい人は、上体を完全に倒してしまいます。
梨状筋の左右の硬さを調べる方法
梨状筋ストレッチは左右差を意識することが肝心です。そこで、左右の梨状筋が硬くなっているかを調べる方法を紹介しましょう。
まずはイスに座ってください。そして、右足首を左足のひざに乗せたら、前傾姿勢になって右ひじで右ひざを押すのです。お尻の後ろに痛みが出たり突っ張ったりするときは、梨状筋が硬くなっています。
同じように左足も確認してください。足首をひざに乗せた状態というのは、梨状筋を収縮させている状態。痛みが出たり突っ張るのは、梨状筋が硬くなっていることを意味しています。右利きの人は左足の梨状筋が硬くなる傾向があるので、梨状筋ストレッチと合わせて試してみてください。
梨状筋を片足ずつストレッチ
梨状筋を片足ずつストレッチしていく方法も紹介しましょう。床に座って両手をお尻の後方に置いて、両膝を立てて座るところまでは同じ。ここで片足の膝を90度に曲げて、内側に倒します。
ここで反対側の足を膝の上に乗せて、上から押さえるようにすることで梨状筋がストレッチできるのです。このとき、内側に倒した足側の腰が浮かないように注意してください。
リラックスして15秒ほど伸ばすとよいでしょう。反対側の足も同じように行います。内側に倒す膝を曲げすぎると梨状筋が伸びにくくなるので、90度になることを意識してください。
梨状筋を横になってストレッチ
梨状筋を横になってストレッチする方法も紹介しましょう。仰向けになって下半身をひねるだけなので、寝る前などにできる簡単ストレッチです。
仰向けになったら、右足のひざを曲げて左足のひざの左側に右足の裏を置いてください。この状態から右足をひねって、お尻の梨状筋をストレッチします。
このとき右手は骨盤に、左手は右ひざに置いておくのがポイント。梨状筋が伸びていることを感じながら、それぞれの手を下向きに押すことでさらにストレッチできます。
机を使った梨状筋ストレッチ
机や台などを使って使った梨状筋ストレッチの方法もあります。テーブルに右脚をあぐらをかくように乗せてください。右側のお尻も乗せてしまいましょう。
上体を右に向けて、両手を右膝を挟むようにして両側におきます。この体勢から両手を前方に滑らせながら、右前方に前屈するのです。右側のお尻の梨状筋がストレッチされます。
ちなみに、この体勢で左へ向けて前屈すると大殿筋や中殿筋をストレッチすることが可能。梨状筋ストレッチと合わせて行うとよいでしょう。
梨状筋のストレッチ効果のあるツボ
梨状筋には、ストレッチ効果が期待できる3つのツボがあります。梨状筋の真ん中にある「臀中(でんちゅう)」と足の付け根側の「環跳(かんちょう)」、そして梨状筋の先端側の「胞肓(ほうこう)」です。
これらのツボをじっくりていねいにほぐせば、梨状筋はやわらかさを取り戻します。ツボをほぐすことで梨状筋の左右差を解消することも可能です。
ツボを見つけるポイントは、押したときに痛み。梨状筋が硬くなると血流が停滞して、痛みの原因となる物質が発生します。押したときに痛みがあれば、そこがまさに梨状筋をやわらかくするツボなのです。
梨状筋ストレッチに軟式ボールを活用
とはいえ、お尻の梨状筋のツボを刺激するストレッチは1人ではなかなかできないもの。そこで活用したいのが野球の軟式ボールです。梨状筋はお尻の奥にあるため、ボールは少し大きめが効果的。適度な弾力も必要だからです。
軟式ボールでツボを刺激する梨状筋ストレッチのやり方は、ひざを立てて仰向けに寝たらボールをお尻の下に入れます。そのまま、尾てい骨から足の付け根まで、梨状筋がこっているツボを探すのです。
ツボが見つかったらボールを当てたまま、腰を左右に動かしてほぐしてください。1つのツボを30秒ほどストレッチするのが目安です。左右差が出ないよう、両方の梨状筋をストレッチします。
坐骨神経痛にも梨状筋ストレッチ
梨状筋の左右差はなぜ生まれるのでしょうか? その大きな原因は老化です。加齢や運動不足で筋肉の疲労が回復しにくくなり、いったん硬くなった筋肉が元に戻らず、慢性的に硬いままになってしまいます。
この固くなった梨状筋は、ダイエットの成否に影響を与えるだけではありません。じつは坐骨神経へも影響を与えています。いわゆる坐骨神経痛の原因は、腰椎椎間板ヘルニアといった脊椎の影響によるものと、梨状筋の影響によるものがあるのです。
つまり、梨状筋のストレッチは坐骨神経痛の改善にも効果があるということ。下半身にしびれや痛みがあるときは、両足を「ハ」の字にするストレッチや横になって行うストレッチを試してみましょう。
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