エピジェネティクスの成功例が高地トレーニング
これまで人間の能力は先天的に遺伝子によって決められていると考えられていました。しかし近年、環境の変化によって働いていなかった遺伝子のスイッチが入ることで、先天的な能力に影響を及ぼすことがわかってきたのです。それが「エピジェネティクス」。日本語でいうと後世遺伝学です。
エピジェネティクス50年前の成功例
気候や食事、環境の変化によって、働いていなかった遺伝子のスイッチが入ることがわかってきました。そして、それが先天的な能力に影響を及ぼすというのがエピジェネティクスの考え方です。
エピジェネティクスの成功例が、50年前に日本水泳連盟が他競技に先駆けて取り入れた高地トレーニング。空気の薄い高地トレーニングによって、体がなんとか適応しようとします。遺伝子を超えて環境が人間の能力に影響しているわけです。
エピジェネティクスで大切なのは適切な指導法。先天的な運動能力が低いとしても、適切な指導によって潜在能力を最大限に引き出すことができれば、先天的には優れた相手を上回ることも可能なのです。
190cmの人が50cmジャンプできたとき、175cmの人が70cmジャンプできれば、5cm超えることができるというわけ。潜在能力を見極めた適切な指導法がまさに重要なのです。
エピジェネティクスの理解が大切
その意味で、子どもの頃からエピジェネティクスを含めて遺伝子のことを正しく理解していることも大切でしょう。先天的に劣っているところがあっても、別の側面を伸ばすことでそれを超えられるという大前提で、育っていく環境が必要といえるでしょう。
日本人の遺伝子で先天的に優位性があるのは緻密さ。とくに手を使った細かい作業を得意とする傾向があります。そして、手が得意ということは同様に、足も細かい動きができる可能性が高いのです。
エピジェネティクス視点でいえば、小さいころから足指や甲を使った動きを練習すれば、器用な足さばきができる可能性が高いということ。大きいサッカーボールでなく、小さいボールで動きを練習することが肝心です。
その意味では、右足も左足も遜色なく使える香川真司選手は、日本人の遺伝子の優位性を生かしている存在といえるかもしれません。体が小さくて当たりに強くないといわれる日本人のプレイスタイルとしては、器用な足さばきは正しい方向性といえるでしょう。
■「遺伝子」おすすめ記事
4人に1人「筋トレ効果」が出ない遺伝子とは
筋トレ効果はその人の遺伝子で大きく違う!
筋肉質になりたいなら遺伝子組み換えが近道!?
筋肉トレーニング効果は遺伝子で決められている
瞬発力に優れた遺伝子を持つ日本人は5人に1人
■「トレーニング」おすすめ記事
LSDトレーニングで持久力がアップする理由
心筋はインターバルトレーニングで鍛えられる
自宅の筋トレメニューなら「自重トレーニング」
岡崎慎司が実践!瞬発力を養う地味トレーニング
体幹を鍛える入江陵介おすすめのトレーニング