クランチで腹筋を割るなら30度以上は効果半減
仰向けになってひざを軽く曲げ、上半身をおこすという腹筋運動の代名詞ともいえる筋トレが「クランチ」です。腹筋を割る筋トレの基本中の基本といえます。クランチで鍛えられるのは腹直筋ですが、その可動範囲は意外に狭くて30度くらいまで。30度を越すと効果が半減します。
クランチは30度を超えると効果ナシ
クランチはあまりに一般化してしまった腹筋運動です。必要以上に大きな動作やスピードで行うケースがよく見られます。また、上腕二等筋など関節が関与する筋トレは可動範囲がハッキリしているもの。しかし、腹直筋は関節に関係していないため、可動範囲がよく誤解されているのです。
腹直筋の効果的な可動域はじつは狭いもの。体をおこす角度が30度を超えると、ほかの筋肉が動作に関わってきてしまいます。つまり30度を超えたクランチは、腹筋を割るためにはまったく効果がありません。
腹直筋は肋骨下部と恥骨をつなぐタテに長い筋肉です。このため、体をおこすときは、肋骨下部を股関節に触れさせるイメージで行います。こうすることで腹直筋を最大限に収縮させることができるのです。
正しいクランチのやり方を紹介
それでは、正しいクランチのやり方を紹介しましょう。最初の姿勢は、床に寝転んでひざを曲げた状態。イスなどに足首を載せて、脚と膝を90度に曲げた状態で行う方法もあります。手は頭の脇に手を組まずに軽く添えるか、お腹の上に置いて腹筋を確認しながら行いましょう。
この姿勢から、息を吐きながら上体をおこします。お腹をグッと絞り込むようにして、自分のおへそをのぞき込むように力を入れてください。元に戻るときは息を吸いながら上半身を下ろします。
ここで注意すべきが先ほどの筋肉の可動範囲。体を30度以上おこしてしまうと、腹筋を割る効果は半減してしまいます。
また、上半身を下ろすときは肩が床につく手前でストップ。床についてしまうと、腹筋の負荷が解放されてしまいます。クランチは上がるときも下がるときも、常に腹筋に負荷がかかっているのが正しい方法です。
クランチの負荷を調節する方法
腹筋を割る正しいクランチのやり方を紹介しましたが、うまく体を起こせない人がいるかもしれません。逆に、簡単にできてしまったり場合もいるでしょう。そこで、知っておきたいのがクランチの負荷を調節する方法です。
まず負荷を軽くするなら、後頭部にタオルを当てて耳の横で持ってください。タオルで首を起こす力をサポートされるため、首に余計な力が入らずにダイレクトに腹筋を鍛えられます。
クランチの負荷を重くするなら、頭の脇やお腹の上に置いている手を頭上に伸ばすのです。試しにやってみるとわかりますが、腹直筋にかかる負荷がこれだけでグンとアップします。
クランチを腹筋に効かせるポイント
クランチで腹筋を鍛えるときは、お腹の前面にある腹直筋を意識するだけでなく、背骨を丸めることも意識することも大切。体幹全体を使って上体を引き上げるのがポイントです。
そもそも筋肉は骨格を動かすために存在するもの。力こぶを作る上腕二頭筋であれば、ひじを屈曲させるために働きます。そして、腹直筋が屈曲させるのは体幹。腹直筋の役割は背骨を屈曲させることです。
つまり、クランチで腹筋を鍛える動きの支点となるのは、腰ではなくて背骨になります。このため、クランチを腹筋に効かせるためには背中を丸めるように意識することが大切なのです。
クランチで腹筋だけを鍛える方法
効率のよい筋トレは、1つの動作に対して1つの関節だけを動かす単関節運動になります。参加する筋肉はなるべく減らしたほうが目的の筋肉にかかる負荷が大きくなるため、筋トレとしては効率的です。
一方、クランチは多くの関節や筋肉を使う多関節運動と呼ばれるもの。クランチで腹直筋だけを稼働させようとしても、股関節を動かす腸腰筋などがどうしても関与してしまうのです。
そこで、もっとも脚の関与が少ない、純粋に腹筋だけに効くクランチのやり方があぐらを組むこと。実際に、あぐらを組んでクランチをすると、簡単に上半身を起こすことができません。このとき使っているのはほぼ腹直筋のみになります。
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