腹斜筋がしっかり働かないと腕力が発揮できない
腹斜筋は肋骨下部と骨盤とのつないでいる筋肉。一般的には、体幹をツイストする動きで作用することで知られていますが、それ以外に重要な役割を果たしています。それが両腕の効率よく動かすために作用する役割です。じつは、腹斜筋がしっかり働かないと腕力が発揮できないのでした。
腹斜筋が腕力に重要な役割を果たす
人間の両腕は、肩甲骨を介して体幹に連結していますが、その結合は両足と比べると非常に不安定です。肩甲骨は逆三角形をした左右一対の平らな骨ですが、この肩甲骨を体幹の骨格につなぎ止めているのは鎖骨のみ。肩甲骨は背中側では筋肉でのみ、胸郭と連結しています。
この不安定性は、逆にいえば運動の自由度が高いということ。事実、両足よりも両手のほうが大きくいろいろな方向に動かすことができます。このため、運動の制御や固定のために、多くの筋肉が関わることになります。
ここで重要な役割を果たしているのが腹斜筋。腹斜筋がしっかり働かないと効率的に腕力が発揮できないのです。その理由を詳しく見ていきましょう。
腹斜筋が肋骨下部をしっかり固定
腕は体の前面では大胸筋など、背面では広背筋などによって胸郭と連結しています。このとき腕に力が加わると、腕から肋骨に付いている筋肉によって、肋骨は腕の方向へ引き付けられてしまうのです。
ここで肋骨が固定されていないと胸郭が浮いてしまい、力が体幹にしっかりと伝わらなくなります。これでは不安定なままで力が定まりません。ここで肋骨を固定する作用をするのが腹斜筋なのです。
胸郭の下部を腹斜筋がしっかりと抑えて固定することで、肋骨1つ1つがアコーディオンのようにしっかり広がって、安定した滑らかな動きを生むというわけ。すなわち、腹斜筋がしっかり働かないと腕力を効率よく発揮できないのです。
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