金縛りの原因はナルコレプシー(過眠症)だった
金縛りが「ある病気」が原因でおきていることもあります。それが日中でも眠気が襲ってくる「ナルコレプシー(過眠症)」。そして、日中の眠気と金縛りの原因はじつは同じ。脳の中で作られる神経伝達物質であるオレキシン不足だったのです。金縛りの原因を詳しく見ていきましょう。
金縛りの原因は日中の眠気と同じ
金縛りに長年苦しんできた男性は、じつは「日中の眠気」にも悩まされてきました。症状が現れたのは10代。金縛りが始まったのと同じ時期でした。
授業中に眠っていたことはあるものの、眠気は誰にでもあるものと気にも留めていませんでした。ところが、会社勤めを始めてもその眠気は収まりません。大事な会議でも居眠りしてしまうことが続きました。
睡眠障害を疑って病院を転々とした男性は、ようやく金縛りの原因にたどり着きます。それが「オレキシン不足」です。じつは、日中の眠気と金縛りは、同じ1つの原因でつながっていたのです。
オレキシンが夢スイッチを制御
診断のために調べたのは脳脊髄液。私たちの脳が浸っている液体です。その中にあるのがオレキシンです。脳の中で作られる神経伝達物質の1つで、正常値は250~350pg/ml。この数値が圧倒的に低かったのでした。
男性の病名は「ナルコレプシー(過眠症)」。患者数は20万人といわれていますが、そのうち自分の病気に気づいているのは5%と推定されています。たいていは病気だと気づかずに、自分を責めてしまう人が多いのです。
オレキシンは、体の筋肉のブレーカーである夢スイッチの制御という役割があります。夢を見るレム睡眠のときだけ作動させて、夢に合わせて体が動かないように制御しているのです。そしてもう1つ、オレキシンには覚醒の維持という役割もあります。
金縛りの原因はオレキシン不足
このためオレキシンが不足すると覚醒状態が維持できずに日中の眠気が出現。同時に、夢スイッチが誤作動するために金縛りの原因となるのです。日中の眠気と、週に1回以上の金縛りがある人は、もしかしたらナルコレプシーのサインかもしれません。
ナルコレプシーが進行すると、日中の金縛りがおきることもあります。日中の金縛りは「情動脱力発作」と呼ばれるもの。笑ったり驚いたり気持ちが高ぶったときに、夢スイッチが誤作動する現象です。ろれつが回らなくなったり、ひざの力がカクッと抜けるだけなど、回りが気づきにくいケースもあります。
ナルコレプシーは薬により日常生活に問題ないレベルまで改善可能な病気です。気になる場合は精神科・神経科・心療内科に相談しましょう。
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